『子どものための親子論』
社会学者である芹澤俊介さんの『子どものための親子論』を読みました。
子どもの里親になった人とその子どもの事例を通して、子どもに必要な親子関係を提起。
親子になることを困難にする子どもの「試し行動」とはその子どもが生きていくために不可避な自己表出であることを論じる。
子どもは純真無垢で生まれてくるのではない。いろいろな負荷を背負っている。子どもは受け止め手によって受け止められた時に自分の課題を背負っていくことができる。
子どもにとって「受け止め手」の必要性を徹底して論じる。大人の「だって」「でも」を介在させてはならないことを訴える。
受け止め手の不在による問題は、社会的擁護が必要な子どもだけの問題ではない。どの子どもも受け止められず、子どもの存在感覚が脅かされている状況であることを踏まえ、産みの親から受け止め手としての親になるという移行過程の重要性を論じる。
『受け止め手になる』こと。
支援者として口で言うほど簡単ではないことを突きつけられました。
仕事で出会う子どもたちから発せられる行動や言葉に寄り添っていたかどうか、、反省しつつ、自分と向き合う覚悟を問われる一冊でした。
何時までに◯◯させなきゃ、とか無意識に『させる』(『ある』という存在感覚は『する』に先行しなければならないというウィニコットの言葉でご説明されてます)ことに意識が向いていたことに気付きました。
信頼関係の大切さ。
こんなに基本的で簡単なことだけど忘れてしまっておりました。