たまに真面目なひとり言

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人は何度でも生まれ変われる~辻村深月『朝が来る』

 

朝が来る

朝が来る

 

 

辻村深月さんの『朝が来る』を読みました。

辻村さんの本は何冊か読んでますが一番感動し、考えさせられた本になりました。

 

以下ネタバレあり。

 

長い不妊治療の末、特別養子縁組により朝斗という子どもを育てる栗原佐都子。

中学生で妊娠出産し、子どもを手放すことになったひかり。

教師である両親に育てられたひかりは家のなかで窮屈さを感じながら生活する普通の女の子だった。同級生から告白され付き合い始め、妊娠。妊娠がわかったときには中絶ができる時期を過ぎてしまっていた。

 

妊娠がわかったときの母の態度に絶望するひかり。自分の気持ちは置いてきぼりで、親がすべて処理してしまい、特別養子縁組に出すことも決められてしまう。

 

出産という大仕事を終えたひかりを待っていたのは出産を「なかったことにしたい」両親。ひかりはさらに居場所を失っていく。

家出をしたひかりは社会で生きていこうとする、、、。

 

 

自分達の目の前に赤ん坊がやってきたときに「朝がきた」ような感じがした栗原夫妻。

出産したあと自分の居場所を求めて迷走し、傷付き、さまようひかりの前に現れた我が子はぱあっと目を輝かせてひかりを呼ぶ。初めてありのままの自分を受け止めてもらえた瞬間だったのではないかとおもう。

 

目の前がぱあっと開ける瞬間て誰にでも訪れる。人は何度でも生まれ変われる存在なんだということを強く感じることができた。