相談援助のありかた
『性風俗のいびつな現場』
ようやく読みことができました。
・福祉的な支援を必要とする女性に対してインフォーマル資源を風俗店が担っているという現状を伝えたあと福祉と風俗の連携を提起。
・デリヘルの待機部屋で専門家による相談会を実施した様子を伝え、女性が風俗で働いていることを隠すことなく相談できる環境つくりが必要であることが書かれていました。
読んで感じたことは3つ。
支援を必要としている人ほど繋がりにくい・または公的機関を拒絶する。
繋がっていくためには、やはりこつこつと周りの人と信頼関係を結んでいくしかない。
相談に行っても風俗で働いていることを支援者に話せなかったのなら意味がない。でも、公的機関の人間に対して、自分の現状(社会に対してうしろめたさを感じていること)をすべて話せるということはないと思う。そのことを忘れてはいけないと感じた。
・強みを見いだすという視点
本に登場する経営者の方たちは、心を痛め、なんとかしたいと思われていることが驚きだった。いろいろな事情があって、それでも風俗で働いて現状を打開しようとしていること自体がすごいことで、彼女たちの強みなのだという見方を学んだ。
「風俗店に働かせないようにする」ための支援ではなく、「風俗店で働くという通過点」をどう支援し、その後の生活をどう支援するかが支援者として大切なのだと気づかせていただいた。
・今の生活を変えさせようとすると失敗するということ。
クライアントが今、生活している現実がすべてであることを忘れてはいけないということ。
私が仕事で出会う家庭もはたからみると「なんでこんな生活を・・・・」と自分の尺度で考えて、「改善」をさせようとしてしまいがち。しかし、その生活もクライアントにとっては自分の一部であること。汚くて散らかっている家を綺麗に片づけたところで問題は変わっていない。「まるごと受け入れる」という支援者としての姿勢を改めて認識することができました。