たまに真面目なひとり言

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宮下奈都『よろこびの歌』〜何の為に生きるのか

よろこびの歌 (実業之日本社文庫)

よろこびの歌 (実業之日本社文庫)

宮下奈都さんの本を引き続き読んでみた。
今回は『よろこびの歌』

ひとこと、とってもよかったです。

有名なバイオリニストを母に持つ玲は高校受験に失敗し、音楽科のない女子校に入学する。友達も作らずクラスメイトと距離を置いていた玲だったが、合唱コンクールで指揮者をすることになり、、、。というお話。

玲と同じクラスの生徒が主人公の連作短篇集。
すごかったのは、主人公となる女の子たちがちゃんと主人公だったこと。なのに、他の主人公となる女の子たちと関わり、自分の心と向き合い、自分の心に足りないものに気付いて一歩を踏み出していく。
短編の物語が時系列にちゃんと進んでいて、主人公ではない女の子の成長を垣間見せてくれる。
連作短篇集だが、一つの結末として繋がる。爽やかな嬉しくなるような読後感。
とても素敵な作品でした。

人間関係のとらわれ

HSPの特性にかなり当てはまる私。まだまだ勉強中ですが、なんかほっとした感じがしています。

例えば暴力的なシーンが極度に苦手。映画を観てて、レイプシーンや暴力的なシーンがちょっとでもあると夜眠れなくなるし、夢にでてきます。だから、舞台観劇のほうが好きなのかも。(弟にこの話をしたら、そんなのみんな当てはまると一蹴されましたが。)

 

これまでも自己理解と呼ばれる類いのものは本を読んだり、勉強会に行ったりしましたが、今回は一番しっくりきてる。

 

というのも、なんとなく私って人間関係のトラブル起こしやすいのかな、、、とぼんやり思っていて、1度はアダルトチルドレンやら愛着障害やらを疑ったことも。でも、それは親との関係にゆがみがあったということになるわけで。。。何もない親子関係なんてないと思うし、私の親はちゃんと私のことを愛して育ててくれた。

 

自分の性格特性って思ったら、親のせい環境のせいにしなくて済むことが私にとってはとても助かった気分。

 

 人間関係はとーっても苦手。人からはそう見えないとよく言われます。が、とってもとっても苦手で、とにかく疲れる。人に流されやすく、振り回されやすいので、定期的にひとりの時間が必要です。だから自分のペースばかりで接してくる人は苦手なのかな。

 

ずっとこれでよかったのかと悶々としていた出来事。自業自得といえばそれまでなのですが、自戒を込めて整理しておこう。

 

1年半前くらいに20年来の友人と喧嘩別れになりました。

 

彼女は高校生からの付き合い。

卒業してからはお互い進む道が違っていたのでたまに共通の友達と一緒にごはんを食べに行っていました。思い返せば、もともと趣味も価値観も合うところがない。だから、ごはん食べに行くくらいの付き合いでした。

 

そんな彼女。学生時代の同級生と20代半ばで結婚。しかし、すぐに別居、離婚。心配で電話をかけるも繋がらず、メールの返信もありませんでした。

そんなある日、彼女の方からお金を貸してほしいと連絡が入りました。離婚で大変な思いをしており、すぐに返すからと頼まれました。助けになれればと三万円振り込んだところ、「もう二万円貸して欲しい」と。本当に大変なんだろうと思い、あげるつもりで追加の二万円を振り込みました。

振り込んだ途端、連絡がぷっつん。電話しても出ず、メールで「何か用??」とくる。疑問を感じつつ、あげたつもりでいたのだからと自分を納得させていました。彼女を信じる気持ちもありました。

 

その後、会う約束を何度かしましたが、何度もドタキャン。最悪なのは、待ち合わせ場所についた時に「行けなくなった」とメールがきたとき。電話しても繋がらず。

 

あぁ、そういう人だったんだな。私がバカだったんだなぁと思い、高い授業料を払ったと思おうと、20代はあまり付き合わずにいました。

 

数年たった頃、突然彼女から連絡がきました。離婚でうつ病になった、精神的に不安定で人と会えなかったと。別居したときから付き合ってる彼氏と再婚することになったと。

 

こうして再会して、共通の友達とみんなで会ったり、ふたりでごはんに行くようになりました。

 

が、彼女に子どもが産まれ、共通の友達にも子どもが産まれて、数年前からなんとなく違うかなと思い始めてきました。

 

・共通の友達(私含めて3人)で会うときは、自分の家か自分の家の近くじゃないと会わない。

・ドタキャンが増えてきた。自分はドタキャンするくせに別の友達が予定を変更すると責める。自分がいかにも正しいかのよう。怒りかたが尋常じゃないので、おそるおそる付き合うようになったかも、、、。

・お金を立て替えると、すんなり返ってきた試しがない(催促して催促してやっと1年後に戻ってくる)

国民年金の未納分を支払いたいからお金を貸してほしいと言ってきた。(これはさすがにお断り)

・自分の子どもをすぐに叩く。少し注意すると「子どもを産んでいない人にはわからない」と返される。

・その場にいない人の話ばかりする。もしくは悪口。

 

などなど。

喧嘩別れする2年くらい前からは、毎日のように電話がきて、世間話(芸能ニュースやらママ友の悪口)をしてくるようになりました。

その頃は私も結婚して夕飯の支度などをしている時間帯もあり、返信できないでいると「忙しいの?」「連絡ください」など

頻繁にラインが入ってることもしばしば。

自分が家族で出掛けたり、旦那さんが家にいるときに私が電話をすると出ず、折り返しもない。

 

距離感が近すぎてちょっと辛いなぁと思い始めた頃、彼女から「幼稚園の先生のふりしてパート先に電話をかけてほしい」とお願いされたのです。幼稚園の行事と勤務が重なってしまったと。正直に勤務先に話せばいいのでは?と伝えると「社員がムカつくからめんどくさいんだもん」と。お断りをしましたが、ちょっと違う、、、と思い始めました。

 

そんなときに、ひょんなことから、何がきっかけなのか覚えていないのですが。

共通の友達の子どもは自閉症と言われています。その子どものことを彼女は「気持ち悪い」と言っていたのです。

これを指摘をしたところ逆鱗に触れたらしく、その共通の友達に電話をかけ、私の悪口をがー!!っと話していたそうです。

 

それからぷつんと連絡が途切れました。

その時、ひとつ立て替えていたお金があって(私がばか)、返してもらう日にちが決まっていたのですが、「体調悪くて振り込みにいけない」とラインがきたっきり。

 

 思い返せば、すごく無理して付き合っていたのでこれでよかったと思いつつも、20年の付き合いという長さがあったのでたまに思い出してしまっていた。

 

先日、職場の同僚(親子ほど年が離れている大先輩ですが)にこの話をしました。

 

 その方に言われた一言。

 魂のレベルにあった人と出会う。自分の意思とは無関係のところ。

怒り狂われたことに対してもちょうどよかったのよ。怒り狂われたことで、もう相手は連絡とれなくなる。

 

すとんと落ちた。

深い話や前向きな話、熱い話ができる友達、先輩は仕事で知り合った人たちばかり。

高校時代の友人たちとは正直何を話したらいいのかわからないことも。

 

そして、その友達と縁が切れたけど私の周りには友達はいなくならなかったという事実。

 

こうして書いてみると、よく20年も付き合ってたなぁ、、、。でも、彼女にそういう行動をさせてしまったのも自分なんだなぁって思う。

 

でもわかったことは、この人と付き合うべきではないと、ちゃんと心が信号をキャッチできていること。この人は私を都合のいい存在だと思っていると。

 

次にどういかすか、ですよね。

 

子どもの自己肯定感と親の自己肯定感

 

0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス

0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス

 

3月に39歳の誕生日を迎えました。

来年、40歳になるなんて!信じられない~。子どものときに見ていた40歳の人ってすごく大人~って思ってましたがまだまだ子どもだなぁ。

 

誕生日に義理のお父さんからこの本をいただきました。内容がとってもよくて、子育てしている人のみならず子どもや学生、若者に関わる仕事をしている人に読んでいただきたい1冊です。

 

4月に出産を終えたばかりの先輩にお勧めしたところ、一気に読んだらしく産む前に読めてよかった!と。

 

自己肯定感がすごく大事であること、そのために親に何ができるかを書いてくださってるのですが、特別な何かをするのではなくて、例えば泣いたら抱っこしてあげるとか、要求に応えてあげるという基本的な関わりに尽きるのだと学ぶことができました。

そして、自分の今の関わり方はおっけー!って思えました。

 

子どもの理解、若者や学生を理解する上でも参考になるかと思います。

 

そして、この本で紹介されていたHSCという性格特性。大人の場合はHSPらしいです。

すごく自分に当てはまる、、、。

と思ってネットで調べてみたらチェックリストに当てはまることばかり。

これから勉強してみようかと思いますが、なんとなく感じていた自分の生きにくさにハッとしたのでした。

 

 

宮下奈都『たった、それだけ』

たった、それだけ (双葉文庫)

たった、それだけ (双葉文庫)

辻村深月さん、本屋大賞受賞おめでとうございます~!
本屋大賞繋がりで、宮下奈都さんの本を初めて読んでみました。この作家さんがいい!と思ったら同じ作家さんの本ばかり読んでしまいます。が、もっといろいろな作家さんの本を読んでみようと思うこの頃です。

贈賄容疑で行方不明になった男性。その周囲の人間を主人公にした連作短編集。

それぞれの主人公が「たった、それだけ」で行動できなかったことに後悔して、、、を抱えているのですが、すごくさらっと読めてしまいました。
須藤先生の教師としての挫折、出発のお話がよかったです。

すごくさらっと読めてしまった分、あまり心に残らなかったのですが、、、
他の作品も読んでみることにします。


ひとつ思ったのは、
本のテーマとはかなりずれるのかもしれないけど、、、、。

過去のこと、執着しちゃうこと、気になってしまうことって人間だからあるけど、「たった、それだけ」ってさらって流しちゃうことも大事だなってことです。
人の言葉、あの日あのときの自分の言動、、、などなど。

自分に自信がなくて保身のときはそうなりがちで、他人から見える自分がどうかをくよくよ考えたり、躍起になったり。

ありのままってすごく難しい。けど、ありのままでありたいなぁって思うのでした。

桜木紫乃『裸の華』~女が覚悟を決めたら強いのである!

裸の華

裸の華

 


4月からSSWのお仕事を再開しました。とある高校に配属になりました。
週2回の勤務ですが、なんだか慌ただしくバタバタしております。娘を保育園に送り届けたあとそのまま駅に向かうのですが、電車に乗るには少し早い時間。その時間にコーヒーを飲むのがちょっとした息抜きの時間になってます。

働くようになって本を読む時間が増えました。本を読むのが好きな私にとって嬉しい時間です。
電車の時間とか朝のコーヒータイムとか。

最近読んだのはこちら。
桜木紫乃さんの「裸の華」。
少々ネタバレあり。

足の骨を折り、踊り子生命を絶たれたストリッパーのノリカ。そのまま誰にも何も告げずに故郷の北海道に戻り、ダンスシアターを開店させることに。ダンサーの募集で面接にきたふたりの若いダンサー。
このダンサーとお店を作り上げていくことになり、、、というお話。


この本のテーマは何だろうって思ったときに思い浮かんだのは「再生の物語」。女性が覚悟を決めるまでの物語。

強烈な個性と才能をもったみのり、ストイックな元ストリッパーのノリカ、明るい性格でその場を盛り上げ繋いでいく役割を持った瑞穂。この3人+バーテンのジンが作り上げるダンスシアターは絶妙なバランスを保ちながらお客さんを惹き付けるシアターを作っていく。まさに夢の世界。
みのりの花が咲いていくとき、夢の世界も終わる時だった。そしてノリカもある覚悟を決めていく。

物事には終わりがあること、、、。このことに向き合い、自ら幕引きをするノリカさん。踊り子であることに信念を持ちながらも、ストリッパーである自分を恥としていた自分に気づく。

物事には終わりがある、、、これってわかってるようでなかなかわからない。「くぅ、大人だ。。。」って思いながら読み進めました。

ノリカを慕うみのりは、死ぬまで踊りたいと言い切る。ストリッパー役として出演することになったことにたいしても、裸で踊ることに戸惑いはない。

そんな彼女との出会いがノリカの心に変化をもたらす。

結局は自分の心次第なのだ。ストリッパーとして生きていくことを決め、自分の居場所へと戻っていく。腹を決めた女性は強い。

桜木さんの作品としてはそれぞれの登場人物が前向きな道へと進んでいくような展開がめずらしいと感じた。

しかし、女性の心を丁寧に描くところはさすがでした。

ヅカ活復帰は宙組さんから★

すっかり宝塚から離れてしまっていてかなり情報が遅れておりますが、

雪組でファントムを再演するとか。

 

私が生のファントムを観たことがあるのは蘭寿さんのお披露目。次期トップがなんで壮さんじゃないの~!?というもやもやとした期間を過ごし、蘭蘭コンビのお披露目と気持ちを切り替えて、気合い入れてムラに遠征したものです★

 

今回の再演は歌の望海さん。

蘭寿さんは歌の人ではなかったと思ってるので(蘭寿さんのダンスは大好きでした。特にオーシャンズのデュエットダンス!)

望海さんのファントムを想像するだけでウハウハワクワクしまいます~。

 

ファントムはどの楽曲も本当に素敵。

これは生で観たい!

 

そして、宙組真風さんとまどかちゃんのトップお披露目公演、無事にチケット確保できました。宙組観劇は、エリザベート以来になりそう。

約二年前に、星組から宙組に移動した真風さん主演のヴァンパイアサクセションを観に行った私。星組時代はあんまり興味がなかったまかぜ。それが、「えっ、こんなにかっこよかったの?」とぐんぐん男の包容力増してるまかぜにドキュン。星風まどかちゃんとの並びは巷では「犯罪」とか言われていたようですが、私的には萌えもえな並びでした。

 

そんな二人がトップコンビに!これは観ないわけにはいかない!ということで、出産後初めての宝塚になりそうです。

 

まかぜに興味がないと言っていたヅカ友にまかぜのプレゼンをし、一緒に行くことになりました。

 

あ~楽しみ♪

 


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この作品、漫画が原作なんですよね。昔、友達に貸してもらって一気に読んだけど、すっかり話を忘れてしまってます。カイルのめちゃくちゃイケメンで強引で熱い男っぷりにメロメロになった記憶しかない。。。TSUTAYAで借りてこようかな。

純粋な心は素敵~『思い、思われ、ふり、ふられ⑦』

7巻、読みました。
この先生の作品を読むのは「ストロボエッジ」「アオハライド」に続き3作品目。

ストロボエッジは胸キュンキュンの連続。純粋、まっすぐな主人公がとにかくひたむきな姿に心が洗われます。(アラフォーなのでなおさら)

アオハライドは主人公二人が周りを振り回しまくっただけにしか見えなかったけど(笑)


以外ネタバレあり。




7巻の舞台は青春の代名詞!文化祭。

由奈のことを好きだと認識した理央。理央の友達である我妻も由奈のことが好きになり、お互い由奈のことが好きであることを伝えます。
文化祭で由奈とふたりきりになった我妻は由奈に告白。由奈は生まれて初めてされた告白にドキドキしながらも他に好きな人がいると断ります。

そして、気持ちを伝えたいという溢れた思いで理央を探しにいき、、、という展開。


大人しくて自分に自信がない由奈がぶれなくて、本当に一途なんです。

他の男の子に告白されて、好きな人には振り向いてもらえなさそう(由奈は1度理央に振られてる)なら、1度は自分の心に嘘をついて付き合ってしまう……少女漫画のありがちなストーリー展開だと思うのですが、
この漫画家さんの描く女の子はまっすぐなんですよね。

純粋なキラキラした心でいたい、純粋な心でいたい、、、とアラフォーの心が洗われる瞬間です。


朱里は元カレと再会し、自分のあり方に向き合う、、、という場面も。
この漫画家さんの作品が青春ストーリーといわれるのは、ただ好きだの振られただのという恋愛だけじゃなく、自分の弱さや性格にぶち当たり、向き合うところだと思うのです。

和臣と朱里の関係がどうなるのか、、次巻も楽しみ~